1/1ページ目 私は人間に作られた、人を殺すために生まれたアンドロイド。 感情もなければ、涙もなく、笑いもない。 いわば、ただの人形でしかないのだ。 「カリス、任務だ。日本の近畿地方を全滅させて来い。」 冷たい表情で私を見据え、舐めまわる様に見つめる。 私が男だという事を忘れているのか。でも、気持ち悪いなんて考えない。 一つだけ、殺す能力以外にあるものは、快楽に溺れること。 触れられれば声を出し、入れられれば求める。 それが、私は何よりいやだ。 「はい・・・・父上・・・・。」 けれど、私は答える。 この人が私を生み出した人だから。 この人に従う。 たった一人の、肉親とも言える人だから。 ボオオオォォォォ... 船で日本という国を目指す。人を殺しに。 「ここが・・・・日本・・・。広い・・・な。」 キョロキョロ見渡せば、着物というものを着て歩いている人が多い。 ここは京都か・・・・? 「・・・・はじめるか・・・・」 気の乗らない腕を、スッと上げた瞬間。 「あぁ〜、何や綺麗な兄ちゃんやの〜・・・。」 いきなり聞こえた声に私は警戒し過ぎてこけてしまった。 「・・・・っ・・・・・。」 ゆっくりと顔を上げてみると、そこには私をジロジロ見ているちょっと小麦色に焼けた肌の色をしている元気そうな金髪の男が立っていた。 「大丈夫かいな・・・・。驚きすぎやねん自分。何もそこまで驚かんでも・・・。」 苦笑いしながら私のほうへと手を伸ばしてくる。 けれど、私は握ろうとなんかしない。 その手を振り払って、立ち上がるだけ。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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