Endless endless(赤+緑
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キレネンコさん、ネンコさん、きーさん、きれさん…他に何て呼び名があったかな?



『煩い………黙れ。』



あ!喋ってくれた〜!こんにちは!会話をしてくれたのは初めてだよね〜

俺はプーチン、訳あってここに居るんだけど…未だに何で死刑囚と同室なのか疑問なんだぁ



『訳が無かったら…こんな馬鹿げた所に閉じ込められる筈ない、だろ…』



それもそっか

正論だから何も言えないや
じゃあキレさんはどういう訳で死刑囚になったの?どれくらい酷い事をしたの?教えてよ、この先きっとキレさんと長く一緒に居ると思うから



『喋るな…耳に響く…煩い…。…この先、ずっと…?…何故だ?…』



そんな直感がするんだよ
俺意外に直感力あるんだから
…だから、今は数ヶ月一緒に居るだけだけど…きっとキレさんの事、解る日が来るよ



あと俺…ね、キレさんが好きだよ
格好いいし、クールだし、尋常じゃないほど強くって…時々、優しくて…
あっ…勘違いしないでほしいのが、友達として好きって意味だから
恋愛とかじゃないからさ



『何、気持ち悪い事を言ってる…黙れと言ってるのに何故黙らない。脳味噌入ってないのか……』



脳味噌はちゃんと入ってる
今はちょっと黙りたくないだけ
だってキレさんが声を発しているから…怒られても、罵られても、馬鹿にされても…俺は喋るよ
俺の声がちゃんとキレさんに聞こえてるうちに、話がしたいんだ



『…俺は、そうは思わない。…お前、気持ち悪い奴だな』



けど、ちゃんと話を…俺の話を聞いてくれてる…
だからやっぱり、今しかないと思うんだ



『…何がだ……』



キレさん、キレさん…



『…何だよ…』



俺…ね、本当にキレさんについていきたいんだ
だから、気付いてほしい…キレさん…何で、気付かないの?



『…何にだ…』



自分の姿をよく、見てほしい…そしたらきっとわかるよ



『……――!』



俺はさ、キレさんの朱い髪が好きだよ…。けど…他の人の髪が朱く変わるのは…大嫌いなんだ


ねぇ、キレさん…その両手で抱えてる金髪だった人は……



『…?…』



一体誰だったか…ちゃんと覚えてる?










「キレさーーん!キレさん!起きてよー!」

「……ん………?…」


目を開ければ、間抜けな顔。

こいつが何か言っているが聞き流し、今見た夢を思い出す。


「も〜…聞いてる?キレさん?」

「…聞いてない。」

「ぶぅ〜ひどいなぁ。じゃあ何の夢を見てたの?」

「…夢?」


こいつは少し笑いながら、俺の髪を触る。こいつはよく俺の髪を触るが、触ったところで何になるんだ?


「うん。普通に見てたらただ寝てるだけだと思うけど、違うでしょ?あ、俺ってこう見えて直感力あるんだよ。」

「………夢で聞いた。」

「え?」

「何でもない。」

「そう。……ごめんね。寝てたのに、叩き起こしちゃって。」

「別にいい。興味ない。」


こいつなんか興味ないのに、何時も、何処でも俺についていこうとする。意味は無いと言うのに。それでも笑う理由が理解できない。

其れなのに、俺がこいつに口を開く理由も俺自信、理解できない。


「……夢は見た。」

「幸せな夢?」

「知らん。ただ、お前がいて、俺は金髪だった髪の男を両手で抱え込んでいた。」

「金髪だった?」

「金髪が血で濡れてただけ。それだけだ。」


そう考えると、何故俺は金髪の男を大事に抱え込んでたんだ?

こいつは目を見開いて、驚いている…あぁ、この表情は良く知っている懐かしい顔だ。そしてすぐ俯き苦笑した。


「それは…誰?」

「名前は知らん。ただ金髪だった。」

「…そっか。」

「……ただ、」

「ただ?」

「あの男の髪が、好きだった。綺麗に光っていた…。其れが、赤く濁っていたのが少し…嫌だった。」

「…それは残念だったね…辛い?」


苦笑したまま、こいつは俺の髪を撫で続ける。


「そんなのは感じない。」

「…俺、ね。キレさんの髪…好きなんだぁ。綺麗で、遠くから見ても直ぐ判る赤々とした…朱い髪。」

「…?」

「だけど、血に濡れた髪は…嫌いだよ。」

「夢で聞いた。」

「え?」

「何でもない。」

「そう。……うん、じゃあここを離れよう?ミリッツァが来ちゃうから」


髪を撫で続けるのを止め、こいつは立ち上がり車の方へと向かう。


「……。」


俺も続いて立ち上がり、車の方へと歩いた。


「キレさん。」


こいつは俺の方へと体は向けないで話す。


「その、金髪だった人の名前…きっとキレさんなら覚えてる筈だから、俺は何も言わないよ。」

「?」

「けど、これだけは教えてあげる。その子はキレさんの事、誰よりも理解したかったんだ。」

「…そうか。」


こいつと俺は車に乗る。後ろ側の席で俺はお気に入りの雑誌を読む。

そこでふと、考える。


「じゃあ、出発するね〜。」

「…。」


金髪だった男は今、何をしているんだろうか…?


「…それは、俺には関係無い…事。」

「何か言った?」

「関係無い。」

「は〜い。」






繰り返し繰り返し、同じ事を考える。













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