2/4ページ目 優姫は零が山で修行していてもおかしくないと思っていた。 たが、この4人にそのことを言うのは躊躇われた。 何の修行か聞かれたら困るからだ。 ヴァンパイアハンターになるための──なんて口がさけても言えない。 「それはちょっと…。零って自分のこと全く話さないから」 嘘をつくのが苦手な優姫は適当にごまかした。 しかしこれは嘘ではない。 実際、4年間一緒に暮らしていたのにもかかわらず、零の過酷な運命を知ったのはつい最近だ。 双子の弟がいるということも…。 (私って何も知らないなぁ…) 沈む気持ちを隠すために他にはどんな噂があるのか尋ねてみた。 すると、躊躇いがちに須田とかいう人が教えてくれた。 「…理事長を半殺しにしたって噂が──」 「ああ、あれね。半殺しまでしてないよ。ボコッただけだし」 そう言って優姫はニッコリと笑った。 「ボコッたの!?」 4人はどん引きした。 そんな反応に優姫はかなり戸惑った。 (そんなに驚かなくても…。いつものことだし……) 「えーっと…理事長って空気読まないっていうか…わざわざ地雷を踏むようなことをするっていうか……」 とりあえず優姫は必死に零を弁護した。 これ以上零に対してマイナスなイメージを持たれるのだけは避けたかった。 このクラスの男子には結構人気があるのだが、さっきもいったように他クラス(特に女子)にはかなり恐がられている。 本人は全く気にしていないだろうが、姉(のつもり)としてはそんなイメージを払拭してやりたいと思う。 「……ほら!!親子喧嘩だから!」 「俺を勝手にやつの義息子にするな」 いつの間にか後ろに零が立っていた。 「零!」 優姫は慌てて4人を見た。 案の定── 零を見てかなり青ざめていた…。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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