1/7ページ目 パンッ―― 弾けるような銃声にハッと我に帰れば、周りからは感嘆の声と共に小さな拍手がおこった。 夢から覚めた時のように、一瞬自分が何をしているのか分からなくて、状況を把握しようと優姫は辺りを見回した。 拍手を送っているのはクラスメート。 隣にいる沙頼も控え目に手を叩いていた。 一方、賞賛を受けているのは体育の授業でお馴染みの教師だ。 照れたように頭を掻く反対の手には銃。 今は生徒の方を向いているために背を向けているが、さっきまで対峙していただろう的のど真ん中には穴が空いている。 なるほど。 「先生、すごいわね」 ポツリとこぼした沙頼の言葉に、優姫は肯定するのを思わず躊躇った。 すごい…のだろうか?あれで…。 「優姫…?」 心配そうに覗き込まれたので、優姫は慌てて取り繕った。 「ごめん、すごいのかよく分かんなくて。やったことないし…さ」 「そうね。私もやったことないわ。銃を見るのも銃声を聴くのも初めてよ」 銃声ならいくらでも聴いたことがあるし、大銃を持ったこともある。 その上、一緒に使っている寮部屋の引き出しには小銃が仕舞ってある――なんて、とてもじゃないけど言えやしない。 何とも言えずに笑ってごまかす。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |