塵が積もれば(T)
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制服の内ポケットに手を伸ばし、タブレットのケースを取り出す。
白い錠剤を口に含み、持っていたコップの水で一気に押し流してみた。


「……」



飲めた、今度こそうまくいった…と思ったのも束の間。



「…っ」



どうしようもないくらいの吐き気が込み上げてきて。
結局、洗面台へと向かうハメになった。



「くそっ…なんで飲めないんだよ…」



自分自身に腹が立つ。
鏡に映った自分を睨み付けても何も変わらないのは分かっているが、そうせずにはいられない。
やり場のない怒りをもう一人の自分にぶつける。



消えてしまえばいい…



衝動的に片手を振り上げて鏡を叩きつけようとしたものの、そこはなんとか思い止まった。
勢いを殺した手をつくと、軽く額をぶつけて頭を冷やす。
それでもこみ上げてくる怒りと罪悪感。
タブレットを飲めさえすれば、もう優姫から血を奪わなくて済むというのに。
思い通りにならない自分の体が忌々しくて仕方がない。
けれど、こう思うのは決して優姫の為じゃない。
自分の為だ。



「もう耐えられないんだっ…」


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